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今後の進展が注目される「PTSD」

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PTSDとは

心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder)の略語をPTSDと呼びます。このストレス障害は生死に関わるような危険体験をした時や死傷現場を目撃するなど強い恐怖感を経験した人に起きやすく、その記憶が消える事なく何度も同じ恐怖を感じ続ける病気です。強い恐怖感を感じてしまうと誰しも繰り返し思い出すものですが、通常は数週間のうちに恐怖は薄れ、記憶が整理され過去のものと認識するようになります。しかしPTSDを発症してしまうとその記憶を整理する事ができず、1ヶ月以上に渡って想起され続けます。そうなると生活面にも大きな影響を与えてしまい、通常に過ごす事さえ困難になります。

慢性化を防ぐ

PTSDの発症率は体験した恐怖の度合いによって増えていくのが知られています。ふとした瞬間に突然つらい体験を思い出し恐怖がこみ上げたり情緒不安になってしまう再体験症状は、ほとんどが1~2ヶ月程で自然と治癒されます。しかしPTSDを治療していく際は、発症やその症状だけではなくその後の慢性化の原因を考える事が重要となります。PTSDの症状を長引かせてしまう要因で考えられるのは、生活習慣の悪化やカフェイン作用、飲酒や喫煙などが考えられます。気分を爽快にさせるカフェインですが、不安を抱えている時の摂取は更に不安を強めてしまうので注意が必要です。
PTSDは患者さんの不安を保護し、自然に回復を促す事がもっとも大切とだとされています。安全、安心、安眠の確保を実践するだけでもかなりの確率で自然治癒が見込まれる為、家族は医師と相談しながら患者さんを保護し回復を見守る事が有効となります。現在もPTSDの発症原因の実態調査や研究が進められている為、今後の進展に期待がかかっています。

PTSD=トラウマ?

PTSDの名前が世間に知られるようになったのは阪神淡路大震災後です。震災によって多くの人がPTSDを発症してしまい、その事をマスコミが報道するようになってから多くの人がPTSDを知るようになりました。また、阪神淡路大震災に続き、東日本大震災でも多くの被災者がPTSD症状に悩んでおり、その中には被災地で活躍するナースの姿もあるようです。症状はさまざま確認されていますが、代表的な症状はフラッシュバックです。その他には精神不安定による不眠やトラウマ回避傾向などがあります。主な治療法として、薬物治療や精神療法が行われます。治療は長期になる可能性がありますので、症状がある場合は早めに精神科を受診し治療を行うようにしましょう。

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